【創業計画書】必要な資金と調達方法

創業計画書の作成にあたり、非常に重要なパートの一つが「必要な資金」と「その調達方法」です。
この項目がしっかりしていないと、金融機関からの信頼を得るのが難しくなります。
今回はこの「必要な資金と調達方法」欄の書き方と、考え方のポイントをお伝えします。
■ 必要な資金の整理 ~2つの視点~
まず、必要資金は大きく分けて ①設備資金 と ②運転資金 に分類されます。
① 設備資金とは
いわゆる「固定資産に投資するための資金」です。有形無形を問いません。
たとえば:
- 店舗やオフィスの内装工事費
- 機械設備や什器
- パソコンやソフトウェア
- 営業権・フランチャイズ加盟料 など
設備資金を記載する際には、見積書を添付すると説得力が高まります。
また「なぜこの投資が必要か」「この設備投資によって何が変わるのか」といった目的や効果も明記できると理想的です。
なお、金額が大きい場合は、複数業者からの相見積もりも検討しましょう。金融機関からの信用度が上がります。
② 運転資金とは
こちらは設備資金以外の、日常的な資金繰りに必要なお金です。
たとえば:
- 商品・材料の仕入れ費用
- 人件費
- 家賃、光熱費
- 広告宣伝費、外注費 など
ここで重要なのは、後述する「売上・利益の見通し」と整合性を保つこと。
運転資金は資金繰りの命綱ともいえるため、甘く見積もるのは禁物です。
創業融資において、運転資金として認められるのは、通常3〜4ヶ月分の経費相当が目安です。
これは、「事業が黒字化するまでに必要な持ちこたえる力」があるかを見るためです。
■ 調達方法の考え方 ~バランスと信頼~
必要な資金が整理できたら、次はその資金をどうやって調達するかを明示します。
調達方法の欄は、「誰が、どこから、いくら用意するか」をはっきり書くことがポイントです。
よく使われる調達手段
- 自己資金(貯金・退職金など)
- 日本政策金融公庫の創業融資
- 親族・知人からの借入
- 信用保証協会付き融資(民間金融機関)
- 補助金・助成金の活用
この中でも、最も信頼されるのは自己資金です。
創業者が自らリスクを負っているという姿勢が、金融機関に強い印象を与えます。
自己資金はどれくらい必要?
目安としては、総資金の3割程度は自己資金で用意したいところです。
(例:総資金600万円 → 自己資金180万円)
もちろん、全額を自己資金でまかなう必要はありませんが、「覚悟」と「計画性」が問われる部分でもあります。
■ まとめ:半年は売上ゼロでも耐えられる設計を
創業直後は、思ったように売上が立たないことも多々あります。
そのため、資金計画は 「半年間は売上がほぼ無くても耐えられる」ことを前提に組むのが基本です。
過度に楽観的な計画は、金融機関に見透かされるだけでなく、実際の経営で苦しくなります。
慎重かつ現実的な数字を積み上げ、調達方法も具体的に明記しましょう。
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