【源泉所得税】税務調査で指摘されやすいポイントとは?

税務調査の中で、意外と焦点が当たるのが「源泉所得税」です。
とくに注意すべきは、役員や従業員への「現物給与」や「経済的利益」が発生していないかという点です。
■ 経済的利益・現物給与とは?
たとえば以下のようなケースは、金銭の支給がなくても「給与」として源泉徴収の対象となる可能性があります。
- 会社が役員や従業員の個人的な経費を負担している場合
- 社員旅行で一部の社員のみが優遇されているような場合
- レクリエーションの内容が業務と無関係な娯楽に偏っている場合
- 社宅の家賃を適正な水準で徴収していない場合
こうした「経済的利益」の供与は、現物給与として取り扱われ、給与課税の対象になる可能性が高いです。
■ 同族会社ほど厳しく見られる
とくに同族会社の場合、「会社と役員が一体」と見られやすく、役員個人の支出を会社経費として処理していないか、厳しくチェックされます。たとえば、
- 家族旅行の費用を出張費として処理していないか?
- 社長の自宅にかかる費用を、社宅として処理していないか?
- プライベートな飲食費や交際費を会社が負担していないか?
といった点が問われることがよくあります。
■ 社宅の家賃は適正ですか?
社宅を従業員に貸与する場合、「適正な家賃」を徴収していないと、差額が現物給与とされ課税対象になります。
「適正な家賃」は、国税庁が定める計算式に基づいて算出されるもので、市場家賃とは異なります。
意外と見落とされがちなポイントなので、あらかじめ確認しておくことが大切です。
■ 源泉所得税は“日常の処理”が命
源泉所得税のミスは、「うっかり」「知らなかった」が通用しません。
調査で否認された場合、遡及して追徴課税や加算税が課される可能性があります。
日常的に以下をチェックする習慣を持ちましょう。
- 個人経費の混入はないか?
- 福利厚生の範囲を超えていないか?
- 社宅家賃は適正か?
- 経済的利益が発生していないか?
税務調査は、事前準備と日々の管理がすべてです。
「これは給与に当たるのでは?」と感じたら、専門家に相談することをおすすめします。
源泉所得税は「払いすぎても損、払わなすぎてもリスク」。
バランス感覚を持って、適正な処理を心がけましょう。
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