【相続・譲渡】遺贈で取得した土地を売却したら、取得日はいつになるのか?

先日、あるお客様からこんなご質問をいただきました。
「私は昨年、叔父から遺贈で土地と建物を取得し、今年それを売却しました。譲渡所得の計算にあたって、5年を超えると税率が違うと聞きましたが、私は短期譲渡になるのでしょうか?」
実はこの「取得日」と「所有期間の判定基準日」は、税務の中でもとても重要なポイントです。
■ 譲渡所得の課税は「所有期間」で変わる
まず、土地や建物を売却して得た利益は「譲渡所得」として所得税の課税対象になります。
この譲渡所得は、その所有期間によって次の2つに分けられます。
- 短期譲渡所得:所有期間が5年以下 → 高い税率(39.63%)
- 長期譲渡所得:所有期間が5年超 → 低い税率(20.315%)
【ここがポイント!】
所有期間の判定は、譲渡した年の1月1日現在での保有期間によって行います。
つまり「譲渡日」ではなく、「1月1日時点で5年を超えていたかどうか」で判断されるのです。
■ 遺贈で取得した土地の「取得日」は?
では本題です。
今回のケースでは、「昨年、叔父から遺贈により土地・建物を取得した」とのこと。
この場合の取得日は、自分が取得した日ではなく、遺贈者(叔父)が取得した日となります。
■ 今回のケースでは…
叔父様は今から30年前にその土地・建物を購入していたとのことですので、
あなたの「取得日」は30年前とみなされます。
そして、譲渡した年の1月1日時点での所有期間は当然5年超となっているため、
この売却は長期譲渡所得として扱われ、約20%の税率が適用されることになります。
■ まとめ
- 遺贈で取得した不動産の「取得日」は、遺贈者(贈与者)が購入した日
- 譲渡年の1月1日現在で所有期間が5年を超えているかどうかがポイント
- 所有期間が5年超であれば長期譲渡所得となり、税率は20.315%に軽減される
短期と長期では税額に大きな差が出るため、「取得日」と「1月1日時点での保有状況」は必ず確認しておきましょう。
不動産を売却される際は、税務の専門家へ早めにご相談されることをおすすめします。
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