【相続関連③】相続財産を調べるときの注意点

こんにちは。
山梨・忍野村の税理士、後藤真吾です。

今回は、「相続財産を調べるときの注意点」についてお話します。

相続が発生すると、まず必要になるのが「どんな財産があるのか?」を明らかにする作業です。
これを財産目録の作成といい、相続税の申告や遺産分割協議のベースとなる、とても大切なステップです。

ですが、実際の現場では…

「銀行口座は把握していたけど、他にもあった…」
「借金があるなんて聞いていなかった…」
「名義が被相続人のままの土地があった…」

など、見落としや誤解によるトラブルが少なくありません。
そこで今回は、相続財産の調査で気をつけるべきポイントを、分かりやすくまとめました。


■ 1. 相続財産には「プラスの財産」と「マイナスの財産」がある

相続財産というと、現金や預金、不動産など「プラスの財産」ばかりを思い浮かべがちです。
しかし実際には、借金・ローン・未払金などのマイナスの財産も含まれます。

プラスの財産マイナスの財産
預貯金借入金(住宅ローン・事業融資など)
株式・投資信託未払税金(固定資産税など)
不動産(土地・建物)クレジット残債
車・貴金属・骨董品連帯保証債務(特に注意!)

借金などのマイナス財産を引き継ぎたくない場合は、「相続放棄」の選択肢もあります。
(※家庭裁判所に3ヶ月以内の手続きが必要)


■ 2. 通帳だけじゃ分からない財産もある

預金残高や株式などは、通帳や証券会社の報告書である程度把握できます。
しかし、以下のようなものは調査しなければ見つからないこともあります。

  • 自宅に保管された「株券・証券」
  • 古い貸金庫
  • ネット銀行やネット証券(ログインできないと調査困難)
  • 保険契約(受取人が誰か?も要確認)

✅ 過去の郵便物や、スマホ・パソコンの中身も重要な手がかりになります。


■ 3. 不動産は「名義」と「評価額」に注意!

相続財産の中でも特に複雑なのが不動産です。
土地や建物は「固定資産税の通知」などで存在を確認できますが、以下の点に注意が必要です。

  • 登記名義が被相続人のままになっていないか?
  • 共有名義の不動産がないか?
  • 評価額は「固定資産評価額」か「路線価」か?

→ これらを正しく把握しないと、相続税の計算に大きなズレが出ます。


■ 4. 生前贈与や名義預金にも要注意!

「これは父の口座だけど、実質は母のお金だった」
「子ども名義の通帳だけど、親が管理していた」

こうした名義預金や名義財産は、**実質的に誰のものか?**が問われます。

また、生前に多額の贈与をしていた場合、それも相続税の課税対象になる可能性があります。

☑ 年110万円以下の贈与でも、「毎年繰り返されていたら?」と税務署は見ています。


■ まとめ:財産調査は、相続の成否を分ける第一歩

相続で大切なのは、「把握していなかった…」を防ぐこと。
財産調査を丁寧に行うことで、
✔ 税金を正しく計算できる
✔ トラブルを防止できる
✔ スムーズな遺産分割が可能になる
という大きなメリットがあります。


■ 後藤綜合経営事務所の相続サポート

当事務所では、
✅ 財産目録の作成サポート
✅ 不動産の評価・名義調査
✅ 借入金・マイナス財産のチェック
✅ 名義預金・生前贈与の整理
など、相続に必要な調査をまるごとお手伝いしています。


📞「何から手をつけたらいいか分からない」
📞「親の通帳は見つけたけど、これだけで大丈夫?」
📞「相続放棄すべきか判断に迷っている」

そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。

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