なぜ、名経営者はドラッカーを愛読したのか?

経営の世界で偉大な実績を残した経営者やコンサルタントたちが、こぞって愛読した人物がいます。それが、ピーター・F・ドラッカーです。
遠藤功先生(見える化の第一人者)、ユニクロの柳井正社長(実務家)、そして伝説の経営コンサルタント一倉定氏も例外ではありません。では、なぜ彼らは皆、ドラッカーの著作に深く傾倒したのでしょうか?
■ ドラッカーの書籍は「ハウツー」ではない
その理由の一つに、「ドラッカーの本にはハウツーが書かれていない」という点が挙げられます。
ドラッカーが語るのは、普遍的で時代を超える「原理原則」。
たとえば、「経営者の条件」や「現代の経営」などは、手法ではなく、経営の本質・使命・社会的責任といった“考え方の軸”を教えてくれます。
だからこそ、一度読んで終わりではありません。
人生のステージや立場が変わるたびに、読み返すことでまったく異なる示唆を与えてくれるのです。
■ 私自身の体験:ドラッカーは読むたびに違う本になる
私が初めてドラッカーに触れたのは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(通称:もしドラ)がブームになった頃でした。
名著集という赤いシリーズが書店に並び、「経営者の条件」を手に取ったのを覚えています。
しかし、そのときの私はまだ経営の実務を知りませんでした。内容が腑に落ちることもなく、「難しいな…」という印象だけが残りました。
その後、投資ファンドで経営管理に携わり、税理士事務所で多くの経営者と接し、独立して自分自身が経営する立場になった今、あらためてドラッカーの書籍を開くと――
かつて??だった文章が、まるで人生の指南書のように思えるのです。
■ ドラッカーの観察力と「美術」の関係
ドラッカーの凄さは、圧倒的な「観察力」にあるとも言われています。
実はドラッカーは、日本の浮世絵や絵画を収集していた美術愛好家でもありました。
近年、エグゼクティブ層の間では「美術館に通い、観察力を磨くべき」という話がよく聞かれます。
これは何も流行ではありません。
実は、ドラッカーはその何十年も前から、“観る力”の重要性を知っていたのです。
表層ではなく、構造を見る。言葉の背後にある文脈を見る。人や組織を“観る”。
それこそが経営における最重要スキルの一つなのだと、ドラッカーは教えてくれていたのです。
■ 終わりに
経営の第一線で活躍する人ほど、ドラッカーを繰り返し読み返します。
それは、ドラッカーが「答え」ではなく「問い」を投げかけてくれるからです。
経営者である限り、私たちはこの問いに何度も向き合い、答えを更新し続けなければなりません。
ドラッカーは“経営のバイブル”ではありません。
“経営者の心の師”なのです。
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