ミスを減らし、仕事を覚える「マニュアル」の力とは?

「人は必ずミスをする」。これは、仕事をする上で避けられない現実です。だからこそ、弊所では不良品(=ミス)を減らすためにチェックリストを導入しています。そして、もう一つの重要な工夫が、今回のテーマである「マニュアル」です。

マニュアルは「作らせるもの」

弊所がマニュアル作成で大切にしている原理原則があります。それは、「マニュアルは作らせるもの」だという考え方です。

通常、マニュアルはその業務を熟知しているベテランが作るものだと思われがちですが、弊所では違います。あえて、これからその仕事を覚える人にマニュアルを作ってもらうのです。

なぜなら、初心者が分からない部分こそが、マニュアルにとって最も重要な視点だからです。経験者にとっては当たり前のことも、未経験者には壁となります。だからこそ、「覚える過程」でこそマニュアルが生まれ、改善されていくのです。

スタートは「動画撮影」から

とはいえ、仕事を知らない人がマニュアルを作るのは簡単ではありません。そこで弊所では、まずスマートフォンやビデオカメラで、実際の業務の様子を撮影してもらいます。

作業をする側は、「誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どうやって(5W1H)」を意識しながら、口頭で説明しながら作業を進めます。

この動画があれば、未経験者でも業務の全体像を把握しやすくなり、マニュアル作成がぐっと現実的になります。

完璧ではなく「改善の繰り返し」が大切

最初から完璧なマニュアルを作る必要はありません。むしろ、「マニュアル作成=仕事の一部」として、日々改善していくことが重要です。

実際の業務をやってみて、気づいたことを加筆修正し、より使いやすくアップデートしていく。こうした積み重ねが、質の高いマニュアルを育てていきます。

最終的には「教える力」が組織の力に

マニュアルが整備されると、新人教育がスムーズになります。人が入れ替わっても品質が安定し、属人的な業務が減ることで、組織の底力が向上します。

そして何より、自分でマニュアルを作った人は、その仕事への理解が深まり、自信を持って業務に取り組むようになります。これは、学びながらアウトプットする最高の教育手法でもあります。


まとめ:

マニュアルは、単に手順を記録するものではなく、「人を育てる仕組み」です。そして、作成者が学ぶ過程そのものが、最良の教育の場になると私たちは考えています。

あなたの職場でも、まずはスマホ片手に動画を撮るところから始めてみませんか?それが、組織力を底上げする第一歩になるかもしれません。

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