ムダをなくせば利益が増える 〜作業改善の視点から〜

弊所では、納品スピードの向上が利益改善に直結するという考え方を大切にしています。そのため、クライアント企業に対して「工程」や「作業」の改善を通じた生産性向上支援を行っています。

本日はその中でも、「作業改善」に焦点を当ててみたいと思います。


作業は2つに分解できる

現場の作業は、大きく次の2つに分類できます。

  1. ムダ
  2. 作業

まず「ムダ」とは、一見仕事のように見えて、実際にはまったく必要のない繰り返しや行動のことです。これは即座に廃除すべき対象です。
例えば、「同じ棚に何度も部品を取りに行く」「確認ミスで作業をやり直す」などは、完全なムダに該当します。

次に「作業」ですが、これはさらに2つに分類できます。

  • (1)付加価値のない作業
     例:部品を取りに行く、資料を運ぶ、準備をする
     これは本来ムダと見なされることもありますが、現状の作業条件では「どうしても必要」な場合もあるため、慎重な見極めが求められます。
  • (2)付加価値を高める作業
     例:組立・加工・設計・調整など、何かしらの形で製品やサービスに価値を加える行為です。

「加工」とは何か?

ここでいう「加工」とは、単に物をいじるという意味ではありません。
**お客様が「お金を払いたくなるような価値を付与する行為」**を指します。
会計事務所でいえば、「顧客に最適な税額をシミュレーションして提案する」といった行為がこれに該当します。


あなたの仕事の何%が「付加価値」か?

ここで、ぜひ皆さんご自身の実務を省みていただきたいのです。

今行っている作業のうち、実際に価値を生み出している割合はどれくらいでしょうか?

驚くかもしれませんが、多くの現場では「付加価値を生み出す作業」は全体の1〜2割程度にとどまっています。
この事実を知るだけでも、改善のヒントが見えてくるのではないでしょうか。


「動き」から「働き」へ

作業改善の本質は、「動いているだけの時間(ムダや付加価値のない作業)を、成果につながる“働き”に昇華させること」です。

「働く」とは、工程が進み、製品やサービスが完成に近づいていくことです。
つまり、一歩一歩前に進んでいることが実感できる状態が、真の「働く」姿なのです。


最後に

ムダを削ぎ落とし、価値のある仕事に集中する。
これはどんな業種・業態でも実現可能な「利益改善の第一歩」です。

弊所では、こうした視点から貴社の現場を見直し、生産性と利益の向上につながる具体策をご提案しています。
「うちの作業、ムダが多いかもしれない…」そう感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。

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