中小企業の事業再生に向けて:活用すべき「中小企業活性化協議会」の支援とは?

こんにちは。今回は「事業再生支援」についてお話しします。
業績が悪化し、資金繰りに悩む中小企業のご相談を受けることが増えています。経営者の方々にとって最も大きなネックとなるのが、借入金の返済負担ではないでしょうか。
売上をいくら上げても、借入返済でキャッシュが残らない——
これは、事業再生の現場で非常によく見る典型的な構図です。
このような状況に直面した場合、以下のような選択肢があります。
- 金融機関への返済リスケジュール(条件変更)
- 中小企業活性化協議会の活用
- 経営サポート会議の利用
- 私的整理(借入の整理・債務免除など)
今回は、特に「中小企業活性化協議会」の支援制度について、具体的に解説します。
◆ 中小企業活性化協議会とは?
中小企業庁のHPでも紹介されていますが、
中小企業活性化協議会は令和4年に創設された公的支援機関で、
経営難に直面した中小企業の再生・改善を支援しています。
👉 https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/index.html
中小企業活性化協議会を通じた支援方法には、大きく分けて2つのルートがあります。
【① 協議会自身による事業再生支援】
協議会に直接相談し、状況に応じて以下の支援を受けることができます。
①-1 収益力改善計画(通称:プレ再生前段階)
- 資金繰りに当面の目処はあるが、今後資金ショートの恐れがある
- 借入元本の返済猶予など、金融支援を要請
- 協議会と連携しながら計画を策定し、モニタリング体制もあり
①-2 プレ再生支援・再生支援
- 事業は利益が出ているが、財務体質が厳しい
- 債権者との間で協議会が調整役となり、元本据置・債務免除等を交渉
- 本格的な再生計画を策定して合意形成を図る
①-3 再チャレンジ支援
- 事業継続が難しいケース
- 保証債務整理や破産回避など、次のステージに向けた助言を弁護士など専門家が対応
【② 認定経営革新等支援機関(税理士など)による再生支援】
もう一つのルートが、国が認定した専門家(認定支援機関)による再生支援です。
この方法の大きな特徴は、専門家費用の最大2/3を国が補助してくれる点です。
②-1 早期経営改善計画策定支援
- ビジネスモデル俯瞰図、資金計画などをまとめた簡易計画
- 金融機関との対話のきっかけに
- 補助上限:15万円(費用の2/3まで)
②-2 経営改善計画(405事業)策定支援
- 元本据置や債務免除などの金融支援を伴う本格的な計画
- 私的整理を伴う場合も対象
- 補助上限:300万円(費用の2/3まで)
◆ まとめ:再生支援は「情報と選択肢」がカギ
事業再生の現場では、「もっと早く相談してくれたら…」と感じることが少なくありません。
もし、以下のような兆候がある場合は、手遅れになる前に一度専門家へ相談してみてください。
✅ 売上はあるが、キャッシュが残らない
✅ 借入の返済が苦しい
✅ 金融機関との関係に不安がある
✅ 廃業も視野に入れているが、できれば継続したい
公的支援制度は、正しく活用すれば事業を立て直す強力な武器になります。
中小企業の皆様にとって、未来への一歩を後押しする手段として、
中小企業活性化協議会や認定支援機関のサポートを知っていただければ幸いです。
ご相談はお気軽にどうぞ。
事業再生の現場で、あなたの挑戦を支えるお手伝いをいたします。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。