中小企業のDX化を支援するのは税理士の役割である

先日、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関するセミナーに参加しました。そこで改めて感じたのは、「中小企業のDX化を支援することこそ、これからの税理士の重要な役割である」ということです。
AIやクラウド会計、チャットボットなどの技術は日進月歩で進化しています。もはや「興味がある人だけが使うもの」ではなく、「使わなければ取り残される時代」に入ってきました。
私自身、昔読んだダニエル・ピンク氏の『フリーエージェント社会の到来』を思い出し、再読したくなりました。あの時代に予言されていた「組織に頼らない働き方」や「個の力の重要性」は、まさに今のDX社会の本質とつながっているように思います。
DX化のステップ
セミナーでは、中小企業がDX化を進めるためのステップが紹介されていました。特に印象的だったのは、「いきなり完璧を目指すのではなく、できるところから始める」ことの重要性です。
ステップ1:ペーパーレス化
DXの第一歩は、紙からの脱却です。請求書、契約書、業務報告書など、まだまだ紙に頼っている業務は多くあります。まずは電子化できる部分から取り組んでみましょう。
ステップ2:情報のデジタル共有
「紙」で共有していた情報を、クラウドやチャットツールで共有することにより、時間と場所を問わずに業務が進められるようになります。
ステップ3:業務プロセスの見直し
DXは、単なるツール導入ではありません。資料の集め方、加工の仕方、報告の仕方など、業務フロー全体を見直すことが求められます。
ステップ4:コミュニケーション方法の再構築
口頭や電話に頼っていた社内コミュニケーションも、チャットやタスク管理ツールを活用することで記録が残り、属人化を防ぐことができます。
ステップ5:アウトプットの変革
集めた情報をどう活かすか。Excelだけでなく、BIツールやAI分析ツールを活用することで、意思決定の質が向上します。
DXは「経営改革」である
DXは、単なる「IT化」ではありません。業務改善でもありません。それは「経営そのものの変革」です。業務のやり方、組織の在り方、社員の働き方、そして顧客との関係までを変えていく、大きな流れです。
特に中小企業においては、全てを一気に変えることは難しいですが、だからこそ「できるところから始める」姿勢が大切です。そして、経営者の良きパートナーである税理士こそ、その変革の伴走者として大きな役割を果たせると信じています。
変化の時代に、変わらない選択肢はありません。DXに背を向けることは、経営に背を向けることと同義です。共に時代の波を乗りこえていきましょう。
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