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広告に頼らず、世界中の心をつかむ──スターバックスの「体験」戦略

スターバックスは、アメリカを代表するグローバル企業でありながら、テレビCMや派手な広告にはほとんどお金をかけていません。にもかかわらず、世界中の都市の一等地に店舗を構え、人々のライフスタイルの一部として親しまれています。
なぜ、スターバックスは広告に頼らず、ここまでのブランドを築けたのでしょうか?
マーケティングの主役は「体験」
スターバックスが大切にしているのは、「店舗での体験」そのものです。
彼らが目指しているのは、自宅でも職場でも学校でもない、“第3の居場所”=サードプレイスの提供です。
・美味しいコーヒーの香り
・ぬくもりを感じる照明や色使い
・木材や布を基調としたインテリア
・落ち着いたBGM
・ロゴ入りのマグカップ
・スタッフの笑顔と一貫した接客マナー
これらすべてが一体となって、スターバックスらしさをつくり出しています。まるでブランドそのものが空間化されたような感覚です。
つまり、スターバックスにとって店舗こそが最高の広告媒体なのです。
「広告費」ではなく「体験」に投資する
多くの企業が認知度を上げるために巨額の広告費を投じる中、スターバックスはそのリソースを顧客体験の向上に集中させています。
コーヒーそのものの品質はもちろん、店舗デザイン、サービス、空間演出といった“体験価値”を徹底的に磨くことで、結果として自然な口コミやSNSでのシェアが広がっていきます。
これは、「商品やサービスを通じてマーケティングを行う」という考え方そのもの。広告の代わりに、お客様自身が広告塔になるという戦略です。
経営のヒントにできる視点
スターバックスの事例から学べることは多くありますが、特に中小企業や個人事業主にとって参考になるのは次の視点です。
- 「体験」は最強のブランディング手段
- 商品やサービスそのものにマーケティング要素を内包させる
- リピートや紹介を促す仕掛けに投資する
広告費をかけることができない環境でも、「どんな体験を届けるか」にこだわれば、お客様は自然とファンになり、支持してくれる。スターバックスは、そのことを実証している企業といえます。
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