消費税の「簡易課税制度」とは?

事務負担を軽くするための、消費税の計算方法です
消費税の計算には、通常、
- 売上でもらった消費税
- 仕入や経費で支払った消費税
をそれぞれ集計して計算する必要があります。
ただ、これを毎回きちんと集計するのは、事業者にとって手間がかかります。
そこで用意されているのが、簡易課税制度です。
簡易課税制度を一言でいうと
「売上にかかる消費税額」から、業種ごとに決められた割合(みなし仕入率)で、仕入税額を簡便的に計算できる制度です。
つまり、実際の仕入・経費の消費税を細かく集計しなくても、
一定のルールで計算できるため、事務負担の軽減につながります。
簡易課税制度の目的(なぜあるの?)
この制度は、主に中小事業者の納税事務の負担に配慮するために設けられています。
消費税の計算は本来細かく複雑ですが、簡易課税を使うことで、
- 計算が分かりやすくなる
- 経理処理の負担が軽くなる
- 申告作業を進めやすくなる
といったメリットがあります。
使える人の要件(重要)
簡易課税制度は、誰でも使えるわけではありません。
特に大事なのが、次の点です。
✅ 基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること
これが大きな要件です。
- 個人事業者:原則として「前々年」の課税売上高
- 法人:原則として「前々事業年度」の課税売上高
この基準期間の課税売上高が 5,000万円以下 であれば、簡易課税制度の対象になり得ます。
注意点(よくある誤解)
① 届出を出していないと使えません
簡易課税制度は、自動で適用される制度ではありません。
使いたい場合は、原則として
「消費税簡易課税制度選択届出書」 を、
その課税期間の初日の前日まで に提出する必要があります。
② 届出を出していても、売上が5,000万円を超えると使えません
たとえ届出を出していても、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えた課税期間は、簡易課税制度は適用できません。
③ 一度選ぶと、すぐにはやめられない場合があります
簡易課税制度は、選択後にすぐ自由にやめられるわけではなく、原則として**一定期間(2年)**の継続が必要です。
(詳細は状況により異なります)
どんな計算をするの?(イメージだけ)
簡易課税では、売上にかかる消費税額に対して、業種ごとに決められたみなし仕入率を使って、仕入控除税額を計算します。
たとえば業種によって、みなし仕入率は次のように決まっています(例):
- 卸売業:90%
- 小売業:80%
- 製造業など:70%
- 飲食店やその他の事業:60%
- サービス業等:50%
- 不動産業:40%
※実際には事業内容に応じた判定が必要です。
こんな事業者に向いていることがあります
- 経理担当者の負担を減らしたい
- 消費税計算をできるだけシンプルにしたい
- 仕入・経費の消費税集計が複雑になりやすい
ただし、簡易課税が必ずしも有利とは限りません。
業種や利益構造、設備投資の有無によっては、原則課税の方が有利なケースもあります。
まとめ(ポイントだけ押さえるなら)
- 簡易課税制度は、消費税計算を簡単にする制度
- 目的は、中小事業者の事務負担軽減
- 使うには、原則として届出が必要
- 重要な要件は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下
- 有利・不利は事業内容によって変わるため、事前確認が大切
ご相談ください
簡易課税制度は、
「使えるかどうか」だけでなく、使った方が有利かどうかの判断も重要です。
当事務所では、売上規模・業種・経費の状況を踏まえて、分かりやすくご説明いたします。
消費税申告や届出のご相談もお気軽にお問い合わせください。
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