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理念共有の象徴だったハーレーダビッドソンジャパンに何が起きたのか

先日、「ハーレーダビッドソンジャパンが販売店に対して過剰なノルマを課していた」との報道がありました。
▶︎Yahooニュース記事
このニュースを見て、正直驚きと残念な気持ちを抱きました。なぜなら、私がこれまで耳にしていたハーレーダビッドソンジャパンの姿勢は、まったく逆のものであったからです。
理念を共有する三者の絆
私がこれまでに聞いてきたハーレーダビッドソンジャパンの取り組みは、次のようなものでした。
- ①ハーレーダビッドソン本社
- ②販売店
- ③顧客
この三者が理念を共有し、強固な信頼関係を築くために、さまざまな仕掛けが用意されていました。
たとえば、新車納車時に顧客へ手渡される「ディーラーガイドブック」には、販売店の紹介だけでなく、メカニックの資格やスキルも明示されており、販売店同士が切磋琢磨する土壌が整えられていました。さらに、オーナー同士の交流を促す「チャプター活動」もあり、まさにブランドと顧客、販売網が三位一体となった仕組みが構築されていたのです。
このような取り組みから、私はハーレーダビッドソンジャパンを「理念共有を実現する好事例」として捉えていました。
組織を変えるのは、トップの「意志」
今回のノルマ問題は、経営トップの交代による方針転換が原因とのことです。
理念共有による長期的な信頼関係づくりから、短期的な販売目標達成への偏重へと舵が切られた結果、現場に過剰な負担がのしかかった――という構図です。
これは、「トップの経営方針がいかに現場を変え、ブランドの方向性を変えるか」を如実に示すケーススタディになるでしょう。
私たちが学ぶべきこと
この件から学べることは多いと感じます。
- 理念の共有は、一朝一夕には築けないが、崩れるのは一瞬であること
- ビジネスパートナー(今回は販売店)との関係性こそ、ブランドの価値そのものであること
- トップの交代にはリスクと可能性の両方があること
特に私のように中小企業や地域密着型の経営支援に関わる立場としては、「トップの在り方」がいかに現場を変え、取引先や顧客との関係性に波紋を及ぼすかを改めて感じさせられました。
まとめ
ハーレーダビッドソンジャパンの今回の出来事は、理念と現場のズレが招いた典型例かもしれません。
「ブランドとは何か?」「誰のための経営か?」という原点に立ち返るきっかけとして、私自身の活動にも多くの気づきを与えてくれました。
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