私の好きなブランド「マザーハウス」と社会起業という生き方

私には、長年尊敬しているブランドがあります。それは「マザーハウス」です。
きっかけは、若い頃に読んだ一冊の本──山口絵理子さんの『裸でも生きる』。
バングラデシュでバッグ作りから事業を起こした彼女の壮絶な挑戦に、胸を打たれました。金銭的なリターンよりも社会的な意義を追求し、現地の人々とともに製品をつくり上げる。その姿勢に、当時の私は「本当に人のために働くとはどういうことか」を考えさせられたのを覚えています。

社会起業(ソーシャル・アントレプレナー)の広がり

近年、「社会起業(ソーシャル・アントレプレナー)」という言葉を耳にする機会が増えてきました。単に儲かるビジネスをするのではなく、社会的課題の解決を事業によって実現していく。その代表格の一つが、まさにマザーハウスでしょう。

そして、2年前に東京から山梨へ戻ってきた私は、地元で事業を営む多くの方々と出会いました。驚いたのは、甲府や富士五湖エリアにも、地域課題や公共的なテーマに取り組む「社会アントレ」のような方々が数多くいたことです。
環境保護、福祉、地域活性、子どもの居場所づくりなど──規模の大小を問わず、それぞれの使命感に突き動かされながら日々活動されている姿に、強く感銘を受けました。

信頼こそが資本となる世界

そうした方々と対話を重ねる中で、ある共通点に気付きました。それは「信頼関係をとても大切にしている」ということです。
通常の起業においては、ビジネスモデルや収支計画が重視されますが、社会アントレの世界では、それ以上に人とのつながりや想いの共有が基盤になります。
金銭的なリターンだけでなく、社会的な意義や、仲間と一緒に成し遂げる達成感──こうした“目に見えない報酬”が、彼らのモチベーションを支えています。

特に地方では、SNSやイベントを通じて形成されるコミュニティの力が大きくなっています。顔が見える関係性だからこそ、一度築いた信頼が次のプロジェクトにつながり、仲間が仲間を呼び、地域に新たな価値が生まれるのです。

「つながり」を意識した事業づくりを

これからの時代、経済性だけでなく、社会性・人間性のある事業がますます求められていくと思います。
だからこそ、事業を営む私たちも「誰と、どんな想いで、何を実現したいのか?」という軸を大切にすべきではないでしょうか。

「裸でも生きる」とは、どんな環境でも、志を持ち、自分の足で立つという姿勢の象徴だと私は捉えています。
人とのつながりを大切にし、信頼をベースにした経営を──。そんなマザーハウスのような在り方を、地域の事業にも取り入れていきたいと感じています。

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