経営支援は“診療”である

私が経営支援を行う際、いつも“医者”のようなマインドで臨むようにしています。
その原点は、18~19歳の頃に見たドラマ『白い巨塔』にあります。
唐沢寿明さん演じる天才外科医・財前五郎。彼の手術シーンは、まさにプロフェッショナルの極みでした。
冷静沈着で、論理的で、そしてなにより「結果に責任を持つ」。
当時の私は、その姿に深く影響を受け、「自分もあのように“切れ味鋭く問題を解決できる人間になりたい”」と感じたのを今でも覚えています。


経営支援は「問診」から始まる

経営支援の現場でも、私が最も大切にしているのは“問診”です。
いきなり処方箋(=改善策)を出すのではなく、まずはクライアントの状況を丁寧に聴く。
どんな経営環境に置かれているのか、何を課題と感じているのか、そして社長自身がどんな“景色”を見ているのか。
その全体像を質問によって引き出していきます。

ここで重要なのは、「社長の目線で世界を見に行く」こと。
数字の異常値を見つけることはAIでもできます。
しかし、なぜそうなっているのか、何を優先すべきかを見極めるには、現場の感情と文脈を理解することが欠かせません。
それこそが“人間の問診力”であり、私が重視している部分です。


処方箋は「一緒に見出す」

問診を経てようやく、経営改善の“処方箋”を考えます。
ただし、私が一方的に「こうすべきです」と指示することはありません。
クライアントと一緒に、最も適した解決策を“共に見出す”ことを大切にしています。
それは、まるで医師と患者が治療方針を一緒に決めていくようなプロセス。
経営者が自らの意思で行動できるようにすることが、真の支援だと考えているからです。


経営支援とは「人を治す」こと

経営の課題は、単なる数字の問題ではなく、
組織の中で働く“人”の心の問題でもあります。
だからこそ私は、常に医者のような姿勢で臨みます。
冷静に現状を見つめ、丁寧に聴き、最適な処方を共に考える。
この積み重ねこそが、クライアントの「経営の健康」を取り戻す道だと信じています。


おわりに

もしあなたの会社が「なんとなく不調だ」と感じるなら、
それは身体の不調と同じく、早めの診断が大切です。
経営にも“定期健診”が必要です。
私はその経営ドクターとして、あなたの会社の状態を一緒に見立て、再び健全な経営体質を取り戻すお手伝いをしています。

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