経営計画に経営理念はいらない?

経営計画というと、まず「経営理念」から書き始める方が多くいます。確かに理念は大切です。ですが、県庁発注のプロポーザル委員などを通じて数多くの経営計画書や企画書を見てきた弊所代表の実感として、「借り物のような経営理念から始まる計画書があまりにも多い」という印象を強く受けます。

では、経営計画において本当に重要なこととは何でしょうか?

それは、「実行可能な目標とその達成のための具体策」が明確であることです。


弊所が重視している経営計画の4つの要素

弊所では、経営理念よりも以下の4つの要素を重視しています。


① 年間の目標

どんな結果を1年後に出したいのか。売上、利益、新規顧客数など、数値で具体的に示すことが重要です。


② 月間の目標

年間目標を12か月に分解し、毎月の達成ラインを明確にします。これにより、毎月の行動と進捗管理が可能になります。


③ 重要課題(クリティカルイシュー)

現状と目標の間にあるギャップ。そのギャップを埋めるための“本質的な課題”を絞り込みます。課題がずれていれば、努力は無駄になります。


④ KPIとリカバリープラン

目標達成に必要な行動を数値化し(=KPI)、定期的に管理します。また、未達の場合のリカバリープラン(軌道修正策)もあらかじめ設計しておきます。


足元を見て、まず「現実」を言語化する

どんなに立派な理念やスローガンがあっても、足元の現状が不明確では意味がありません。

まずは、

  • 現時点の数値と課題を整理する
  • それに基づいて現実的な目標を設定する
  • そのギャップを埋める行動と管理方法を決める

このような「現実からの逆算」で経営計画を作ることを、弊所では推奨しています。


経営計画は“飾り”ではなく“実行のための設計図”です。ぜひ、自社の現状と目標を見つめ直し、「使える経営計画」を作っていきましょう。

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