融資返済額を減らす方法「一本化」という選択肢

先日、資金繰りに関するご相談をいただきました。
複数の融資を抱えているものの、営業活動が思うようにいかず、毎月の返済額が重くのしかかり、資金繰りが厳しいというお悩みです。
実際に資金繰りを圧迫する要因の多くは「毎月の返済額が大きすぎる」ことにあります。
では、この返済額を減らす方法はあるのでしょうか?
結論から言うと、返済額を減らす方法は大きく2つあります。
- リスケジュール(返済条件の変更)
- 融資の一本化(借り換えによる返済負担軽減)
今回はそのうち「融資の一本化」について整理したいと思います。
融資が2本走っているケース
例えば、次のような融資があるとします。
- 融資残高:20,000,000円
返済回数:残り40か月
毎月返済額:500,000円 - 融資残高:10,000,000円
返済回数:残り20か月
毎月返済額:500,000円
この場合、毎月の返済額は合計1,000,000円となります。
営業活動でキャッシュを稼げていない状況だと、少なくとも毎月1,000,000円ずつ現預金が減っていきます。
仮に現時点で2,500,000円のキャッシュを保有していたとしても、3か月後には資金不足に陥る計算です。
一本化による返済額の圧縮
ここで「融資の一本化」を行い、2本合計の30,000,000円を借り換えて60か月で返済した場合を考えましょう。
- 借り換え後の融資残高:30,000,000円
- 返済回数:60か月
- 毎月返済額:500,000円
このように、毎月の返済額を1,000,000円から500,000円に半減することが可能です。
資金繰りに悩む経営者にとって、月50万円の改善は非常に大きな意味を持ちます。
上乗せ融資で資金不足を回避する
さらに一歩踏み込んで、同額の借り換えだけでなく「上乗せ融資」を検討できる場合があります。
例えば、既存の30,000,000円を 40,000,000円で借り換え できたとします。
その場合、返済は60か月・毎月500,000円となるだけでなく、差額の10,000,000円が新たな資金として手元に残ります。
これにより、将来の資金不足を回避できるのです。
もちろん、金融機関の審査次第では上乗せが難しい場合もあります。
その場合には一本化ではなく、返済条件を見直す「リスケジュール」を検討することも重要です。
まとめ
資金繰りに困っているときに必要なのは、営業活動を改善することと同時に、
「毎月の返済負担を軽くする工夫」です。
- 一本化できれば、毎月の返済額を大きく圧縮できる
- 上乗せ融資が可能なら、将来の資金不足も予防できる
- 一本化が難しい場合には、リスケジュールで対応する
経営は資金繰りが命です。
キャッシュが尽きてしまえば、いかに良いビジネスモデルでも続けられません。
まずは「資金を守る」ことを最優先に、金融機関との交渉を検討してみてください。
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