誰に、何を、どうやって――「Who・What・How」でビジネスの核心をつかむ

ビジネス相談や経営支援の現場で、私が必ず最初に確認することがあります。それが、「Who・What・How」の整理です。

この3つを明確にできるかどうかが、事業の成否を大きく左右します。言い換えれば、どんな見込客に対して、どんな深刻な悩みを、どのように解決するのか。この基本が曖昧なまま、広告や営業、SNSを駆使しても、期待する成果は得られません。


1. Who:誰のためのビジネスなのか

まずは「Who」、つまり対象となる見込客を特定します。――できるだけ具体的に描くことで、その人の悩みにリアルに寄り添えるようになります。


2. What:どんな悩みを抱えているのか

次に最も重要なのが「What」、すなわち見込客が抱える悩みです。ここが浅いと、商品やサービスの存在価値は薄れてしまいます。

マーケティングの大家・神田昌典氏がよく言う「夜も眠れないほどの悩み」を探ることが肝要です。つまり、本人も口に出せないほどの苦しみや葛藤を言語化できるかどうかが鍵となります。

例:「赤字が続いているが、どこに問題があるのか分からない」「経理担当が辞めてしまい、経営数値の把握ができていない」など


3. How:どうやって解決するのか

最後に「How」、それに対してどう解決するのか。ここでは、自社の強みを整理します。さらに、その強みの**根拠(エビデンス)**まで言語化できていると説得力が格段に増します。

また、競合が提供できない独自性や、「なぜ自分(自社)でなければならないのか」という突き抜けた価値まで掘り下げていくことで、より強固なポジショニングが築けます。


ストーリーに落とし込むと、伝わりやすくなる

理想的には、以下のようなストーリーで語れる状態を目指します。

「●●な見込客がいて、その人は△△という悩みに苦しんでいる。でも、それを本気で解決してくれる存在はいない。だから私が□□という形で救うのだ。」

このストーリーを描けると、マーケティングや営業活動においても強力な“軸”ができます。ブレずに、一貫したメッセージを打ち出せるようになるのです。


まとめ:ビジネスの土台は「Who・What・How」の整理から

私たちは、相談に来られた経営者にすぐ「集客しましょう」「広告を出しましょう」とは言いません。

まずはこのWho・What・Howを一緒に整理し、強みとその証拠、突き抜けるための視点を明らかにすることを優先します。

それが整ってこそ、ビジネスモデルやマーケティングの話が意味を持ち始めるのです。


経営がうまくいっていないと感じる方は、ぜひ一度、「Who・What・How」を整理してみてください。答えがぼやけているなら、そこが改善の出発点かもしれません。

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