頭を整理する「ノート術」──記録より重要なことは何か?

外資系コンサルのノート術や、知的生産性を高めるノート術に関する書籍は数多く出版されています。私自身も、そうした本を何冊か読んできました。方眼ノート、マインドマップ、フレームワーク思考──様々な手法に触れてきた中で、今の私が行きついた結論は、次の一点に尽きます。

「読み返すためのノート」ではなく、「頭を整理するためのノート」が重要。

美しいノートを目指すのは諦めた

実を言うと、私は字があまり綺麗ではありません。官民ファンド勤務時代、当時の経営管理室長から「君の字は読めない」と率直なフィードバックを受けたこともあります。修業時代にお世話になった先生からも同様の指摘がありました。独立後、さすがにまずいと思い、ペン字教室にも通いましたが、根本的には読みやすくなったとは言えません。

それでも、私はノートを書くことをやめませんでした。なぜなら、「自分の頭を整理するために書く」ことが、圧倒的に効果があるからです。

ノートは「発散」→「集約」のプロセス

私はノートを、記録のための道具ではなく、思考の棚卸しツールとして使っています。

まずは、頭の中にあるアイデアや懸念、不安、着想などをとにかく吐き出すこと。A4のノートに、余白を気にせず、どんどん書き殴ります(字は汚くてもOK)。そして次に、それらを**グルーピングして整理する(=集約)**ことで、見えていなかった本質や課題が浮かび上がってきます。

これは、マーケティングの師匠から教わった手法でもあります。ノートの目的は、美しく仕上げることではなく、思考を前に進めること。だからこそ、私は「実践こそ命」と考え、毎日、何度もこの方法を愚直に繰り返しています。

ツールは変わっても、思想は変わらない

方眼ノート、A4ノート、リングノート……道具は色々試してきました。けれど、「ノートは思考を整えるための場である」という考え方だけは、一貫しています。

コンサルタントとして、あるいは税理士として日々の業務を進める中でも、頭の中を一度“外に出す”作業は欠かせません。思考を「見える化」することで、ようやく次のアクションが明確になるからです。


最後に

ノートを見返しても何も得るものがない……そんなふうに感じている方がいれば、それはあなたが悪いのではなく、「ノートの目的」を間違えているのかもしれません。

ノートは未来の自分に見せるものではなく、「今の自分」の頭を整えるためのもの。

その意識を持つだけで、ノートの使い方はガラッと変わります。

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