「納品スピード=利益改善」という視点と、トヨタ生産方式の本質

こんにちは、利益改善コンサルタントの後藤です。

私たちは日々、クライアント企業の「利益改善」に取り組んでいます。その中で、意外に見落とされがちなポイントのひとつが「納品スピード」です。

納品スピードが上がると、単に早く物が届くという話にとどまりません。
実はこれが、キャッシュフローの改善、在庫コストの削減、そして何より「顧客満足度の向上」につながります。結果として、利益体質の強化に直結するのです。

トヨタ生産方式に学ぶ「利益改善」

私たちが参考にしているのは、日本が誇る生産革新の知恵、トヨタ生産方式です。

トヨタ生産方式の根本思考をご存じでしょうか?

「売れるだけ、売れるときに、できるだけ安くつくる方法を開発していく」

つまり、

  • 売れもしないものを大量につくって在庫を抱えることはしない
  • 売れるときにすぐ対応できる柔軟な体制を持つ
  • 無駄をとことん排除し、コストを下げる

この「必要なときに必要なだけ」という考え方は、製造業に限らず、すべての業種に応用可能です。

たとえば、私たち税理士業務でも、

  • お客様からの資料をいかに早く受け取るか
  • それをどれだけ無駄なく処理するか
  • 納品(申告書や試算表の提示)までのスピードをどれだけ上げられるか

という改善が、結果として「信頼」と「リピート」に繋がっています。

意識改革が利益を生む

ただし、こうしたスピード改善には意識改革が欠かせません。

「自分の仕事はここまで」「チェックは他人任せ」では、全体のスピードは上がりません。
そこで重要になるのが、「自工程完結」という考え方です。

これは、自分の工程で仕事を完結させる責任を持つという考え方。
たとえば、作業の途中で「誰かに検査してもらう」のではなく、自分自身が検査し、自信をもって次の工程に渡すという文化です。

この習慣が根づくことで、ミスや手戻りが激減し、全体のリードタイム(納品までの時間)も大幅に短縮されます。

利益を生むスピード経営へ

利益を上げるというと、「売上を増やす」「原価を下げる」ことばかりが注目されがちです。
しかし、「スピードを上げる」こと自体が、大きな利益改善策になるのです。

納品スピードを改善することで、回転率が上がり、現場の無駄が減り、顧客との信頼関係が深まり、最終的に価格競争に巻き込まれずに済む体質ができていきます。

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