運転資金とは何か?黒字倒産を防ぐために知っておくべき基礎知識

経営者の皆さん、今日は「運転資金」について考えてみたいと思います。
商品を仕入れて、販売し、入金されるまでの間には「タイムラグ(時間差)」があります。この時間差の間に必要となる資金のことを「運転資金(経常運転資金)」と言います。具体的には、次の式で表されます。
(一般式)
運転資金 = 売掛金 + 受取手形 + 棚卸資産 ▲ 買掛金 ▲ 支払手形
この式からわかるように、現金商売で即時決済、かつ在庫を一切持たないようなビジネスモデルでない限り、企業は「資金ギャップ」に常に直面しています。
つまり、たとえ黒字であっても、手元資金が足りなくなり、資金ショートするリスクがあるということです。これが「黒字倒産」の原因にもなります。
なぜ運転資金が必要になるのか?
通常の商売では、以下のような流れになります。
- 商品や材料を先に仕入れる
- 仕入代金を先に支払う
- 商品を販売し、後で入金される
この流れを見ると一目瞭然です。
「支払が先」で「入金が後」という構造が、資金不足を引き起こすのです。
これが、金融機関などから「本来の運転資金の借入」が必要となる背景です。
経営者がやるべき資金繰りの工夫とは?
このような資金ギャップを縮めるために、経営者が取るべき具体的な行動があります。それが、
- 支払いサイト(支払期限)の延長交渉
- 回収サイト(入金期限)の短縮交渉
です。
たとえば、取引先に対して「支払いは月末締めの翌々月払いにしてほしい」と交渉する一方で、販売先には「納品後10日以内に入金してください」といった取り決めをする。
これだけで、資金の出入りのタイミングを自社に有利な形に変えることができます。
運転資金の管理が経営のカギ
運転資金は「利益」とは別次元の話です。利益が出ていても、資金が不足すれば会社は回りません。だからこそ、キャッシュフローの把握、そして資金繰りの見える化は、経営者の必須スキルなのです。
「黒字なのにお金がない…」と悩む前に、一度、自社の運転資金の構造を見直してみましょう。
※弊所では、経営計画書を活用した資金繰り改善支援や、金融機関からの借入相談も承っています。ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。
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