【法人設立時の役員給与と社会保険料】月額20万円支給の場合はいくら支払うの?

法人を設立し、役員給与を月額20万円で設定する予定です。この場合、社会保険の加入は必須となります(※一人社長であっても加入義務あり)。
今回は「扶養家族2名」「住民税は普通徴収(給与天引きしない)」という前提で、役員に実際いくら支給されるのか?会社が支払う社会保険料はいくらか?をシミュレーション形式で解説します。
◆ 結論から言うと…
- 役員への実支給額:169,760円
- 会社が支払う社会保険料:約6万円/月
社会保険料の負担構造
役員報酬20万円を支給する場合、約30%に相当する金額(約6万円)が社会保険料として発生します。
- このうち半分(約3万円)は会社負担
- 残り半分は役員の給与から天引き
- ※厳密には「子ども・子育て拠出金(0.36%)」は会社が100%負担しますが、今回は簡便的に除外します。
給与計算の際に使う資料
給与を支給する際には、次の2つの資料が必要です。
- 【健康保険・厚生年金保険料額表(協会けんぽ・山梨県版)】
👉 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r7/ippan/19yamanashi.pdf - 【源泉徴収税額表(令和6年分・月額表)】
👉
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2024/data/01-07.pdf
実際の支給額シミュレーション(月額20万円)
① 社会保険料の計算
【前提:40歳以上・山梨県・協会けんぽ】
- 健康保険(介護保険含む):11,480円(折半)
- 厚生年金:18,300円(折半)
役員負担合計=11,480円 + 18,300円 =29,780円
→これを20万円から差し引くと
200,000円 - 29,780円 = 170,220円
② 所得税の計算
【前提:扶養2名・住民税なし】
税額表より、170,220円の給与に対する所得税は460円
→最終支給額:
170,220円 - 460円 = 169,760円
会社が支払う金額は?
- 役員給与:200,000円
- 会社負担の社会保険料:約29,780円
- (+子ども子育て拠出金:数百円)
→会社の負担合計:約23万円/月
まとめ
項目 | 金額 |
---|---|
役員給与(支給額) | 200,000円 |
社会保険料(役員本人負担) | 29,780円 |
所得税 | 460円 |
実支給額 | 169,760円 |
会社負担の社会保険料 | 約29,780円+α |
会社の総支出 | 約230,000円 |
最後に
「社会保険は高いから加入したくない」と思われるかもしれませんが、法人で役員報酬を支払う限り、強制加入となります。
社会保険への加入は、将来の年金・健康保険給付のベースになるものですし、労災や産休育休給付などのセーフティネットとしても機能します。
制度の正しい理解が、健全な法人経営の第一歩となります。
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