社長学のすすめ ~一倉定氏に学ぶ、社長という生き方~

皆さんは「社長学」という言葉をご存じでしょうか。
単なる経営手法ではなく、「社長としてどうあるべきか」を追求する学問ともいえる領域です。

私が尊敬する経営コンサルタントに一倉定(いちくら さだむ)氏がいます。
一倉氏は、「社長専門のコンサルタント」として活躍した伝説の人物であり、日本の中小企業の現場を知り尽くした経営者支援の第一人者です。

経営合理化協会から出版されている「社長学シリーズ」(全10巻)は、経営者であれば一読すべき名著中の名著です。私自身、折に触れて何度も読み返しては、経営の原点を見つめ直しています。

「いい会社ではない。いい社長であるかどうかだ」

このシリーズの中でも特に印象に残っている一言があります。

「いい会社とか悪い会社とかはない。あるのは、いい社長と悪い社長である。」

この言葉は、企業の命運は99%社長の姿勢や判断で決まる、という厳しくも真理を突いたメッセージです。
うまくいかない原因を社員や景気のせいにするのではなく、すべてを自責で受け止められるかどうか。そこに、社長としての器が問われます。

良い社長の条件とは

では、「いい社長」とはどのような人物でしょうか。
一倉氏の教えをかみ砕いていくと、さまざまな条件が見えてきますが、私が特に重視しているのは次の一点です。

「持続的に利益を出し続ける」こと。

これは単に利益を追いかけるという意味ではありません。
社会的な意義のある事業を、長期的・安定的に継続していくためには、健全な財務体質と利益体質が不可欠です。
「儲けなくては、守れない」──社員も、顧客も、地域社会も。これは社長の最も基本的な責務です。

自らの経営姿勢を見つめ直す

経営がうまくいっているときこそ、危機は静かに忍び寄ります。
逆に、困難なときこそ社長の真価が問われます。

企業のトップである皆さんに、ぜひ問いかけたいことがあります。

  • 自分は「いい社長」になれているだろうか。
  • 社員に未来を語っているか。
  • 利益を出す覚悟と責任を、持ち続けているか。

社長学とは、外に答えを求めるのではなく、自らに問い続けることです。


一倉定氏の言葉を借りるならば、
「会社の発展は、社長の発展に比例する」
──まさにその通りです。

経営者であることの重みと誇りを胸に、今日もまた、社長としての生き方を磨いてまいりましょう。

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