多くの経営者が誤ってしまう「優先順位」の話

〜売上よりも大切なもの〜

経営の現場では、日々さまざまな悩みが生じます。
「売上が伸びない」「利益が出ない」「資金繰りが苦しい」──。
この3つの言葉は、社長の口から最もよく出てくるフレーズではないでしょうか。

しかし、ここで質問です。
あなたにとって、「売上」「利益」「お金」の3つ、どれを最優先に考えていますか?


多くの経営者が逆の順番を考えている

実は、多くの経営者がこの優先順位を逆に考えています。
「まず売上を上げよう」「売上が上がれば利益も出るはず」「お金はあとからついてくる」
──このように考えがちです。

しかし、それは危険です。
この順番では、どれだけ売上を増やしても、利益が出ず、現金も残らない。
結果として、会社が資金ショートに陥ることすらあります。


正しい優先順位は「お金 → 利益 → 売上」

正しい経営の優先順位は次の通りです。

1️⃣ お金(資金)
2️⃣ 利益(収益性)
3️⃣ 売上(規模)

つまり、最初に考えるべきは「お金が残る仕組み」なのです。
資金繰りを安定させ、支払い能力を確保することが最優先。
その上で、「利益が出る構造」を作り、最後に「売上を伸ばす仕組み」を整えるのが王道です。


「売上は虚栄心、利益は健全性、現金は王様」

経営の世界には、こんな言葉があります。

「売上は虚栄心、利益は健全性、現金は王様(Cash is King)」

売上は見栄を満たすもの。
利益は会社の健康状態を表すもの。
そして現金は、会社を生かす“血液”そのものです。

資金が枯渇すれば、黒字でも倒産します。
逆に、現金が潤沢であれば、一時的に赤字でも再起できます。
この違いを理解しているかどうかが、長く続く経営者とそうでない経営者を分けます。


成功する経営者の考え方

成功する経営者は、次の順番で経営を組み立てます。

お金が残る仕組みをつくる
 固定費の見直し、キャッシュフロー管理、資金繰り表の整備など。
 まず「潰れない会社」にすること。

利益が出る仕組みをつくる
 価格戦略、付加価値アップ、ムダの削減、業務効率化など。
 「稼げる会社」の構造を築くこと。

売上を伸ばす仕組みをつくる
 マーケティング、営業、リピート強化など。
 最後に「拡大していく会社」を目指すこと。


まとめ:経営の羅針盤を正す

経営の優先順位を誤ると、努力の方向がズレてしまいます。
「お金 → 利益 → 売上」の順番で考えること。
それが、会社を長く安定して成長させるための最も確実な道です。


✳️一言アドバイス

売上は“結果”であって“目的”ではありません。
目的は、「会社にお金を残すこと」。
そのために、今日からまずお金の流れを見直すことから始めましょう。

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