【人と会うということ】

〜情報過多の時代に輝くアナログな学び〜
現代は、あらゆる情報が手のひらで手に入る時代です。
YouTubeやオンライン講座、SNS、書籍……インプットの手段はいくらでもあり、学ぼうと思えばいくらでも「知識」は集まります。
ですが私は、こうした情報化社会のど真ん中にいる今だからこそ、改めて「人に会うこと」が学びの核心だと実感しています。
◆ アナログだからこそ、心に響く
書籍や動画から得られる情報は確かに便利ですし、効率も良いです。
しかし、どこかで情報は「点」としてしか頭に残らず、心を動かすまでに至らないことが多いとも感じます。
一方で、人に会い、対話し、表情や空気感まで含めて学ぶことで、知識は「体験」に変わります。
まさに、アナログだからこそ、五感を通じて記憶に深く刻まれる――そんな感覚を何度も味わってきました。
◆ Zoomの時代が残した功罪
コロナ禍を経て、Zoomなどのオンラインツールが一気に普及しました。
私自身も独立開業直後は、異業種交流会に積極的に参加し、Zoomを通じて全国の方々とつながることができました。
地方にいても、都心のビジネスパーソンや他業種の方々とリアルタイムでつながれるというのは、まさに革命的な経験でした。
しかしその一方で、ネットで「つながる」ことはできても、「絆を築く」ことはまた別問題だと感じています。
便利な分、関係は浅くなりがちで、ちょっとした温度感や信頼感の醸成が置き去りになってしまう。
やはり人間は、同じ空間で、時間を共にしながら、深い対話を重ねることでこそ、真の信頼関係を築けるのだと改めて実感しています。
◆ 学び散らしという落とし穴
特に税理士業界では、「学び散らし」が蔓延しているように感じます。
「勉強になりそう」と思えるセミナーや講座に片っ端から参加し、結果としてどれも中途半端に終わってしまう。
知識が増えても実務や成果に直結しない――そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
加えて、学びの場そのものが「情報商材化」している風潮にも違和感があります。
本来、学びとは“深める”ものであり、“集める”ものではないはずです。
だからこそ、私は「一人の師を決めて、どっぷり浸かる」ことを大切にしています。
あれこれ手を出すよりも、たった一つの正解を深掘りし、自分の中に落とし込む。
それが結果として、一貫性ある行動と成果をもたらす――そんな実感があります。
◆ 吉田松陰に学ぶ、人との出会いの力
幕末の志士・吉田松陰は、まさに「人と会うこと」によって自らを磨き続けた人物でした。
彼は書物から知識を得るだけでなく、自ら日本中を歩き、諸藩の人物と議論を交わし、交流を深める中で「志」を高めていきました。
書を読み、実際に会いに行き、問う。
そんな学びの姿勢こそ、時代を動かす原動力になったのではないでしょうか。
◆ 書を置き、スマホを置いて、人に会おう
もし、最近インプットが多すぎて整理できない、何を信じていいかわからない――
そんな悩みがあるとしたら、ぜひ一度、スマホを置き、実際に「すごい」と思う人に会ってみてください。
リアルな対話には、熱があります。
心を動かす言葉があります。
その場の空気が、人を前に進ませます。
◆ おわりに
人と会うことは、時に勇気がいることかもしれません。
しかし、だからこそ得られる学びがあり、人生を変える出会いがあります。
情報があふれる今だからこそ、「人と会う」というアナログな行為が、一番の学びになるのかもしれません。
たくさんの教材よりも、たった一人の出会いが人生を変える。
あなたも、そんな「本物に会う旅」に出てみませんか?
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