改善のスタートは「現状把握」から──生産の5要素で見抜く本質

「改善」と聞くと、多くの人が「アイデアを出すこと」や「効率化の工夫」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、改善のスタート地点はもっと地味で、もっと重要なことから始まります。
それは――現状把握です。

改善は「ズレ」によって台無しになる

どれだけ素晴らしい改善策を考えても、そもそもの現状認識が間違っていたら、その改善は的外れになってしまいます。
例えば「作業が遅いから設備を増やそう」と判断しても、実は作業が遅い原因が「材料の受け渡し手順にムダがあること」だったとしたら、設備投資は無駄になってしまいます。

つまり、改善は「現状を正しく見る力」がなければ始まらないのです。

生産の5要素で現場を観察せよ

現状把握を行うときに、ぜひ活用してほしい視点があります。
それが「生産の5要素」です。

① 対象(何を?)
② 主体(誰が?)
③ 方法(どのようにして?)
④ 空間(どこで?)
⑤ 時間(いつ?)

この5つの視点で、実際の工程や仕事のやり方を観察していくと、「当たり前のようにやっている非効率」や「属人化している作業」など、見過ごされていた課題が浮かび上がってきます。

工程と改善、両面からのアプローチ

現状把握は「作業工程の分析」と「改善の可能性を探る」2つの側面があります。

  • 工程:今どんな流れで仕事が進んでいるのかを確認
  • 改善:その中にどんなムダ・ムリ・ムラがあるのかを見抜く

そしてこの両面の観察に、生産の5要素をあてはめることで、本質的な改善の糸口が見えてきます。


まとめ:すべての改善は「正しく見る」ことから始まる

改善の第一歩は、決して派手なアイデア出しではなく、「観察すること」「見抜くこと」です。
そのときの武器が、生産の5要素です。

「何を・誰が・どうやって・どこで・いつやっているのか?」
この5つの視点を持って現場を見つめるだけで、改善の質が変わります。

最初の一歩を、ぜひ丁寧に踏み出してください。

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