ビジネスモデルとは?――粗利とLTVで考える経営の設計図

「ビジネスモデル」と聞いて、皆さんは何をイメージされるでしょうか?
事業の仕組み、収益の構造、利益の出し方――世の中にはさまざまな定義がありますが、弊所ではシンプルにこう定義しています。
ビジネスモデル=「どうやって見込客を集めるか?」「どうやって儲けるか?」という2つの問いに、明確に答えられる設計のこと。
つまり、顧客の集め方と、利益の生み出し方を仕組みとして事業に組み込んでいるか?ということです。
ビジネスモデル構築の2大ポイント
この2つの問いに答えるために、欠かせない視点が2つあります。
- 高付加価値の商品設計(=粗利の最大化)
- LTV(顧客生涯価値)を最大化する集客・販売の仕組み
まず、粗利が低い商品・サービスは、どれだけ売れても手元に残る利益が薄く、最初から「負け戦」をしているようなものです。可能な限り粗利率の高い商品を作ることが、強いビジネスモデルの第一歩です。
次に、せっかくお客様が来てくれたのに、1回きりの取引で終わってしまってはもったいない。LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)を高めるためには、リピートやアップセル、紹介が生まれる仕組みづくりが重要になります。
自社の数字、即答できますか?
ところで、あなたの会社の下記の数値、すぐに答えられますか?
- 粗利率は何%ですか?いくらですか?
- 年間LTV(顧客1人あたりの年間総利益)はいくらですか?
- 営業利益はいくら出ていますか?
- それは同業他社と比較してどうですか?
これらの数字を「すぐに答えられない」「意識していない」状態では、改善の打ち手もぼやけてしまいます。逆に言えば、これらの数字を正確に把握している企業ほど、経営の軸がブレません。
まずは損益分岐点と粗利から
特に中小企業の方は、まずは損益分岐点(固定費と粗利の関係)を明確にしましょう。「月いくら売れば黒字になるのか?」「そのためには何件の受注が必要か?」が見えることで、経営判断のスピードが大きく変わります。
粗利が低ければ、たくさん売らなければなりません。売るための広告費や人件費がさらに増え、悪循環に陥ることも少なくありません。だからこそ、まずは商品・サービスの設計段階で粗利を高くとることが何より重要です。
まとめ
ビジネスモデルは、おしゃれな図やスライドではなく、「どうやってお客さんを集め、どうやって利益を出すか?」という経営の本質に向き合うことです。
ぜひこの機会に、自社の粗利、LTV、損益分岐点、営業利益といった“経営の体温計”を見直してみてください。
経営の設計図は、そこから始まります。
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