【時間戦略としてのランチェスター】社長の実践力は“時間の使い方”で決まる

こんにちは。
今度、地元の工業高校で「起業」について講義をする機会をいただきました。どんな話が生徒たちの心に残るかを考えている中で、改めて「ランチェスター戦略」を振り返ってみました。
今回はその応用として、“時間の使い方”にランチェスター戦略をあてはめる視点を紹介したいと思います。特に、経営者や起業家にとっての「時間戦略」として非常に参考になる考え方です。
■ ランチェスター戦略とは?
まず前提として、ランチェスター戦略とは、もともとは戦争理論における「兵力の使い方」を起源とし、それをビジネスに応用したものです。特に「弱者が強者に勝つための戦い方」を説く内容として、中小企業や個人事業主にとって有効な戦略論です。
この理論のキモは、「戦力=兵力数の二乗」という法則にあります。つまり、同じような条件でも、投入した“量”が2倍になれば、効果は4倍になるというのがランチェスターの本質です。
■ 社長の実践力も“二乗の法則”で決まる
この二乗の法則を「社長の時間の使い方」に置き換えてみましょう。
社長の実践力=(業務に従事した時間の二乗)×質
この式は非常に本質をついています。成果=実践力である以上、成果を上げたいなら、まずは「業務時間(量)」を増やす必要がある。そして次に、「質」を高めていく。この順番です。
■ 中小企業経営者の時間の基準
では、具体的にどのくらいの時間を使えば「勝てる」のか。基準となるのは、日本の中小企業経営者の平均労働時間である年間1,850時間です。
これをランチェスター戦略にあてはめると、次のような水準が見えてきます:
レベル | 勝ち方 | 必要時間(年間) |
---|---|---|
★☆☆☆☆ | 平均(基準) | 1,850時間 |
★★☆☆☆ | 必ず勝つ | 約3,200時間(1,850×√3) |
★★★☆☆ | 圧勝する | 約3,700時間(1,850×√4) |
★★★★☆ | 決死の覚悟で勝つ | 約4,100時間(1,850×√5) |
★★★★★ | スーパースター級 | 約4,500時間(1,850×√6) |
■ 経営者はまず「量」をこなせ
本田宗一郎、稲盛和夫、スティーブ・ジョブズ──
どのカリスマ経営者も例外なくハードワーカーです。彼らの成功は、才能だけではなく、圧倒的な“実践量”によって裏打ちされたものです。
もちろん「質」も重要ですが、それは「量」を積み重ねた先にしか見えてこないもの。だからこそ、起業家や若い経営者にとって最初にやるべきことは、“とにかく時間を投入すること”だと私は思います。
■ 私自身の実践
私自身、まだまだ発展途上の経営者ですが、この考え方を日々意識しています。
朝から晩まで、自分の仕事と顧客の未来に向き合い続けることで、ようやく“質”の部分も見えてきたように思います。
■ まとめ
✅ 成果を出したいなら、まずは「時間(量)」を増やす
✅ 成果=時間の二乗 × 質(ランチェスター式)
✅ スターになりたければ、それに見合った時間を生きろ
この考え方は、学生にも伝えたい、そしてこれから独立・起業を考えるすべての人にとって、重要な視点になると信じています。
あなたは、今、どれくらい“勝てる時間”を生きていますか?
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