リーダーシップとは何か? 〜ドラッカーに学ぶ、強みにフォーカスする組織づくり〜

「成果を上げる組織に必要なものは何か?」

この問いに対して、マネジメントの父・ピーター・ドラッカーは、マネジメントの3つの機能を挙げました。すなわち、①事業のマネジメント、②経営管理者のマネジメント、③人と組織のマネジメントです。

この中でも、リーダーシップは②経営管理者のマネジメントと密接に関係しています。

■ ドラッカーが語るリーダーシップの本質

ドラッカーはこう言います。

「リーダーシップとは、人の視点を高め、成果の基準を上げ、通常の制約を超えさせるものである」

つまりリーダーとは、部下の可能性を引き出し、彼らが自分でも気づいていない力を発揮できるよう導く存在なのです。単に上から指示を出す人ではなく、構成員の視座を引き上げ、組織全体の文化を育てる役割を担います。

■ 組織の文化は、リーダーの「視点」がつくる

私自身、最近ある組織で、幹部が強いリーダーシップを発揮している一方で、構成員のモチベーションが著しく低下しているケースに出会いました。

その原因は、「伝え方」にありました。

幹部は熱意を持って指示を出していましたが、その言葉は理不尽で厳しいものでした。そして常に構成員の“弱み”にフォーカスしていたのです。

人は誰しも弱みを抱えています。しかし、弱みを見つけて叱責するだけでは、人は萎縮し、自信を失い、本来の力を発揮できなくなります。結果、組織は徐々に崩れていきます。

■ リーダーが見るべきは「強み」

私は税理士として、さまざまな企業の経営支援に関わっていますが、共通して言えるのは、「強みにフォーカスする組織は、必ず成長する」ということです。

ドラッカーも述べています。

「優れた文化は、人の強み、すなわちできないことではなく、できることに焦点を合わせる」

これは単なる精神論ではありません。強みにフォーカスすることが、組織を活性化させ、生産性を上げ、離職率を下げる――そんな成果をもたらすのです。

■ 強みを活かし、後押しするリーダーへ

本当のリーダーは、「できること」に光を当て、それをさらに伸ばすための後押しができる人です。人の持つ可能性に目を向け、その成長を信じる。そうして初めて、リーダーはリーダーたり得ます。

組織の良否は、「構成員の強みをいかに活かせるか」で決まります。指導とは叱責ではありません。信頼と育成です。

リーダーシップとは、力で支配することではなく、光を当てること。人が輝くことで、組織は自然と強くなるのです。

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