個人が車を売却したら確定申告は必要?目的別に分かりやすく整理します

こんにちは。後藤綜合経営事務所の後藤です。
先日、お客様からこんなご質問をいただきました。

「先日、個人事業で使っていた車を売却しました。
これは確定申告が必要ですか?」

車の売却は身近なテーマですが、「何を目的に所有していたか」によって税務上の扱いが変わります。
今回は 「個人が車を売却した場合の取扱い」 を分かりやすく整理します。


■ 結論:車の“所有目的”で申告要否が決まります

車を売却した場合、税務上の扱いは次の3つに分類されます。

① 日常生活で使用していた車(マイカー)を売却したケース

確定申告は不要(非課税)

② 趣味目的(遊び・コレクション)の車を売却したケース

「総合課税」の譲渡所得

③ 個人事業主が事業に使っていた車を売却したケース

「総合課税」の譲渡所得
※ここが特に重要 ⇒ 事業用の車であっても、「事業所得」ではなく「譲渡所得」扱い になります。


■ ① 日常使いの車は“非課税”で申告不要

日常生活に必要な資産の売却は非課税とされています。

  • 通勤用の車
  • 家族の送迎に使っていた車
  • 普段乗りの軽自動車

などの売却益については税金がかからず、申告も不要です。


■ ② 趣味目的の車は「譲渡所得」として申告が必要

生活必需品とは認められない「趣味用」の車は、税務上は生活用資産に該当しません。

たとえば、

  • 旧車やクラシックカー
  • スポーツカー
  • コレクション目的の限定モデル
  • 改造車

などは 譲渡所得の対象 になります。


■ ③ 事業用の車を売却した場合は「譲渡所得」扱い(←ここ重要)

個人事業主が事業に使っていた車は、多くの場合“減価償却資産”として帳簿に計上されています。

しかし、ここで誤解しやすいポイントがひとつあります。

事業に使っていたからといって、売却益が「事業所得」になるわけではない。

実際には、
事業用であっても「総合課税の譲渡所得」 に区分されます。

このため、

  • 売却益を事業所得に混ぜてしまう
  • 会計処理を誤ってしまう
    というケースが非常に多く見られます。

■ 譲渡所得は「短期」「長期」で税負担が変わる

総合課税の譲渡所得は、保有期間によって以下のように扱われます。

  • 5年以下 → 短期譲渡所得
  • 5年超 → 長期譲渡所得(税負担が軽くなる)

さらに、どちらも 50万円の特別控除 が適用されます。

※具体的な計算方法は今回のブログでは割愛します。


■ まとめ:まずは「何の目的で所有していたか」が最重要

車の売却で税金がかかるかどうかは、次の表でほぼ判断できます。

所有目的税務上の扱い申告の要否
日常生活の車非課税不要
趣味の車譲渡所得(総合課税)必要
事業用の車譲渡所得(総合課税)※事業所得ではない必要

誤解しやすいのが③の事業用車両で、
“事業所得ではない” という点はぜひ押さえておいてください。

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