「値決めは経営である」──売価設定の基本と実践

京セラの創業者であり、「経営の神様」と称された故・稲盛和夫氏は、こう語っています。
「値決めは経営である」
この言葉が示す通り、「売価の設定」は経営の中でも最も本質的で、最重要な意思決定の一つです。
実際、価格ひとつで企業の収益構造が決まり、ひいては経営の継続可否にも直結します。
◆ なぜ今、売価設定が重要なのか?
近年、原材料費や人件費、物流コストなどが軒並み高騰しています。値上げを検討する企業も増えてきました。
しかし「値上げ」も突き詰めれば「売価設定」の問題です。
安易な値上げは顧客離れを招きますし、逆に安売りを続けていては利益が削られ、企業体力が持ちません。
だからこそ、今こそ見直すべきなのが 「売価設定の方針」 なのです。
◆ 売価設定の基本公式
売価の基本構造は、以下の式に集約されます。
売価 = 全体原価 + 適正な利益
- 「全体原価」には、材料費・人件費・外注費・間接費など、すべてのコストを含めます。
- 「適正な利益」とは、再投資・内部留保・将来の発展のために必要な利幅です。
この公式から目をそらさず、シンプルに考えることが大切です。
◆ 売価設定の4つの姿勢
売価を定めるうえで、弊所では以下の4つの基本姿勢を重視しています。
- 売価の範囲を明確に決めること
→ 原価と利益を加味した「売ってよい価格帯」を決めます。 - その範囲内で、できる限り安売りしないこと
→ 値引きはブランド価値や利益を削ります。簡単に応じない勇気が大切です。 - 範囲を下回る場合は、赤字額を「見える化」すること
→ 赤字になるときは、その金額を明示して意思決定しましょう。「いくらのマイナスか」が分かれば、判断基準が生まれます。 - 範囲外価格は「特別価格」としてルールを明確化すること
→ 特例は曖昧にせず、「どんな条件なら適用するか」を明文化します。例:●●周年キャンペーン時のみ、など。
◆ 売価設定の見直しは、利益改善の第一歩
弊所では、利益改善のご支援の一環として、「売上アップ」や「価格戦略の見直し」をサポートしています。
「今の価格でいいのか?」
「もっと高く売れる価値はないか?」
「安売りで体力を消耗していないか?」
こうしたお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
経営の根幹に関わる「売価設定」から、一緒に利益体質を作っていきましょう。
ご希望であれば、売価設定シートや価格戦略診断などの資料もご提供できます。お気軽にお問い合わせください。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。