40万円未満なら一括で経費に。青色申告特別控除は2027年から変わります

2026年度の税制改正では、設備投資と帳簿に関する制度も見直されました。中小企業と個人事業者に関係の深い2つをご紹介します。

1.少額減価償却資産の特例が40万円未満に拡大

通常、10万円を超える資産を買った場合は資産として計上し、数年かけて減価償却していきます。ただし中小企業と個人事業者には特例があり、これまでは30万円未満のものであれば買った年に一括で経費にできました。

この金額が、今回の改正で40万円未満に引き上げられます。値上がりで30万円の枠に収まらなくなっていたパソコンや工具、備品などが、再び一括で経費にできるようになります。買い替えを迷っていたものがあれば、性能の高いものを選ぶ検討材料になります。

使う際は、次の3点にご注意ください。

  • 2026年4月以降に購入した資産が対象です。3月以前に買ったものに適用すると、税務調査で指摘を受けます
  • 年間の合計300万円という上限は変わりません。1個あたりの金額が上がっても、全体の枠は増えません
  • 300万円を超えた場合、超えた金額だけを資産計上すればよいのではなく、はみ出した資産は全額を資産計上して減価償却します

また、申告書に少額減価償却資産の明細(別表)を添付することが必要です。添付がないと一括経費が認められず、思わぬ追徴になることがあります。

2.青色申告特別控除は2027年分から3段階に

個人事業者の方に大きく関係するのが、青色申告特別控除の見直しです。現在は65万円・55万円・10万円の3段階ですが、2027年分から75万円・65万円・10万円に変わります。

帳簿と申告のしかた2026年分まで2027年分から
複式簿記+e-Tax+優良な電子帳簿など65万円75万円
複式簿記+e-Tax65万円65万円
複式簿記だが紙で申告55万円10万円
簡易な記帳(前々年の収入1,000万円以下)10万円10万円
簡易な記帳(前々年の収入1,000万円超)10万円0円

とくに注意していただきたいのが、下から3行目です。これまでは紙で申告しても、複式簿記で帳簿をつけていれば55万円の控除が受けられました。2027年分からは、e-Taxで申告しないと10万円まで下がります。差は45万円です。

また、簡易な記帳のままで前々年の収入が1,000万円を超える方は、控除が受けられなくなります。

一方、条件を整えれば控除額は75万円まで増やせます。75万円を受けるには、複式簿記とe-Taxに加えて、訂正・削除の履歴が残る優良な電子帳簿の保存、または請求書データとの自動連携といった要件を満たす必要があります。

適用は2027年分からですので、まだ1年以上の準備期間があります。帳簿のつけ方や会計ソフトの見直しをお考えの方は、早めにご相談ください。

※本記事は2026年9月時点の法令等に基づいています。個別の判断は必ず担当税理士にご確認ください。

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